主な疾患の治療方針

膝関節半月板損傷(ひざかんせつはんげつばんそんしょう)

膝関節にある軟骨・半月板は、内外に反り返るなど、急激な外力が加わったときに損傷していまいます。中年以降は加齢により軽い力でも損傷することがあります。治療は、膝が伸びる場合は、基本的に保存療法を行い、膝が伸びなくなって痛みがあり、日常生活やスポーツ活動に支障が出る場合は、手術療法の適応を積極的に考えます。

保存療法

  1. 日常生活指導
    日常生活の中で痛みを感じるような動作を避けるように生活改善を指導します。また、症状に伴って衰える筋肉を鍛える指導も並行して行います。
  2. 薬物療法
    痛みを抑えるために薬物治療を行います。

手術療法

  1. 関節鏡視下半月板切除術・形成術
    水平断裂、変性断裂、フラップ状の断裂、縦断裂でも縫合術によって治療できない断裂がある場合に行います。切除すると、半月板機能低下により、変形性膝関節症を引き起こす可能性がありますので、切除量を最小限にします。
  2. 関節鏡視下半月板縫合術
    変性の少ない半月板が関節包の近くで縦に断裂している場合に行ないます。半月板を切除する手術に比べて半月板の機能低下を抑えることができますが、治療の長期化と再発の可能性があります。